あの田舎の土地(農地、山林)を何とかしてほしい

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退院したので是非一度話を聞いてほしい。この間相談した遺言書の作成の件で先に進めたい。


体調に波があり、早めにすっきりさせたいので、協力してくれませんか。
と連絡がありました。

2か月ほど前からご相談いただいていた遺言書作成。末期ガンで余命半年ほど。配偶者とお子さんがいない80代女性。つまり兄弟姉妹が推定相続人です。本人含めて4姉妹の長女です。
一番の気がかりは、田舎にある不動産です。長野の限界集落(過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭などを含む社会的共同生活や集落の維持が困難になりつつある集落)にある宅地、山林、田畑をどうにか処分してほしい。

というご依頼でした。

姉妹には迷惑をかけたくない

一番の強い想いとしては、

「姉妹に迷惑をかけたくない、長野の土地をきっちりと処分しておきたい」

ということでした。

広大な農地と山林の管理費は大きな負担になります。また対象の不動産は、査定をしても値段がつかず、行政の引き取りも難しいようでした。

さらに、末期ガンで余命半年、1年は持たないという状況。

人生で最後の望みを何とか叶えたいと強く思いました。

不要不急の案件なんてあるのか

新型コロナウィルスの感染が広がる中、緊急事態宣言の出る直前、東京都では「不要不急の外出は控えるように」という外出の自粛要請がありました。

80を超える高齢の方へのご自宅への訪問、電車での移動に一瞬ためらいました。ただ、できる限り急いでいること、「先は長くないのでお願いします」と言われれば行くしか選択肢はなかったです。

自粛要請がある中、高齢者の方のご相談は非常に注意が必要です。消毒、手洗いマスク、検温など細心の注意を払って会いに行きました。

我々の業務には、不要不急の業務はあるのでしょうか。この時期にご相談、ご連絡いただく方のご相談は、必要かつ緊急の案件が多いです。

飲食やサービス業などの方は、資金繰りが本当に深刻な状況になっています。切実なご相談が増えています。会社をたたむ選択もご相談いただきます。再生や破産などの選択肢をとった方が良いのか、破産したらどうなるのか、などの切実な相談も多いです。

それらはもちろん必要かつ緊急のご相談です。こういう時こそ我々士業は役割を果たすべきだと考えています。

今回の遺言書作成の案件も、必要かつ緊急の案件だと判断しました。
1か月先が分からない状況、最後の力を振り絞って、他の人に迷惑をかけたくないという最後の望みを実現したい、というご相談に不要な案件、不要な外出という判断はできませんでした。

農地や山林などの処分は具体的にどうするか

農地、山林

さて、案件の話に戻ると、農地、山林を含めた不動産は、引き受けてくれる先を探す必要がります。

遺言書を清算型(換価処分して分配する)の内容で作成します。さらに、遺言執行者として指定していただき、不動産の処分を執行内容に入れておきます。

そして、農地は、現在管理している方、農業生産法人、行政などに対して譲渡に応じてくれるかを模索します。
場合によっては、継続的に管理負担が生じる可能性もあります。
遺言書では、あらかじめ期限の目安を決めておき、引受先に対してお金をある程度払ってでも相続人以外の第三者に権利が移転することができる旨を規定しておきます。

元々農業にかかわっていたこともあり、現在一緒に仕事をしている仲間に農業生産法人があるので、最終的にはそこに引き取ってもらう予定です。実際に相談すると他に引き取り手がいなければ前向きに検討するよ、とのこと。一安心。持つべきものは人脈、仲間です。
可能であれば、ご本人の安心のために、生前にも手続きができればしてしまおうと進めています。

今後どう案件に対応していくか

2020年4月現在は、東京都をはじめとする地域が対象となり、緊急事態宣言が出され、外出の自粛が要請されています。不要不急の外出の自粛、インフラ、生活等に必要のない業種の活動の自粛が要請されています。
新型インフルエンザ、いわゆる新型コロナウィルスの感染が落ち着くまでは、司法書士としてどうあるべきかは悩ましいところです。

そんな中、司法書士事務所としては、自分自身と働いている方の安全を守ることは最優先すべきです。その次には依頼者の安全、安心を守ることも役割なのだと思います。

直接会わなくても相談に乗れるツールはたくさんあります。テレワークもできるし、休業も含めて対応すべきだとも考えています。
相手が社長さんや、対会社、士業仲間とのやり取りは、基本的にはビジネスチャットやzoomなどを活用して、テレワークで対応できます。

ただ、ご年齢的にウェブ面談などが難しい場合もあります。そのときは、やはり会いに行くんだろうと思います。

そのために日々健康に留意し、運動、食事、睡眠により免疫力を最大限に高め、人との接触、特に三密は徹底的に避け、消毒などの細心の注意を払った行動が必要だと考えています。

この時期には基本的には人には会いません。ただ、いざという時には駆けつけることもできるようにしておきたいです。
三密を回避し、人との接触もなく、消毒、換気、マスク着用などできる限りのことをした上で、限定的にですが会いに行く。
月に1度か2度あるかないかですが。0ではないです。

答えはありません。それぞれの正しい行動を信念を持ってやっていくべきときなのだと思います。

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